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『Every Breath You Take 』をお読みくださり、ありがとうございました!




『触れる想い』のスピンオフとしてアップしたこのお話。
もうちょっとじっくりと書こうかとも思ったのですが、そうすると本編より実際の時間軸は短いにも関わらず、本編の長さを軽く超えてしまいそうで…
そうすると、このCPの割とスピード婚な感じがないなぁと思いまして…。


このイェウク、スピード婚です。ほんと。


泣き崩れる兄さんの背中を抱きしめるリョウクが描きたくて、そうなると、こうなってしまったというか…(〃ω〃)


こちらのお話、川村結花さんの『Every Breath You Take 』という歌にインスパイアされたものです。
(歌のタイトルをポチッとすると、外部の歌詞のページに飛びます)
昔から大好きな歌で、その歌をヒントにintroductionを書いたのが最初でした。
で、兄さんが泣き崩れる出来事って何だろう?と妄想スタート。
となると、抱きしめる子は絶対リョウク以外にないですよね?(*´꒳`*)


2人の出会いを書いていくうちに、触れる想いとドッキングすることに。
兄さんのエピソードがウネの2人の心境に影響を与えるんじゃないだろうか、と思いつき、そこから2つのお話の骨格が固まりました。


こちらを8割がた書いてから触れる想いを書いたので、文章自体はこっちの方が稚拙かもです…修正はちょこちょこしましたが…


……精進しますm(._.)m





さて、今後ですが。


明後日1つ短編をアップした後、新しいお話をスタートさせたいと思います。


タイトルは『好きだなんて言えない』


あの人の、一途な片想いを中心としたお話です( *´ ω ` )


3月3日20時、第1話アップです。


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2019.02.27 Wed l Every Breath You Take 〜触れる想いスピンオフ【完】 l コメント (0) トラックバック (0) l top



そのまま、週末をヒョンの部屋で一緒に過ごした。



身体の重い僕を気遣ってあれこれと世話をやいてくれて、こんなに面倒見のいい人なんだなぁと、またひとつヒョンが好きになった。


動けるようになったら一緒に買い物に行き、キッチンに2人で立った。


とは言っても、コーヒーを淹れる以外はなんだかとっても危なっかしくて、途中からはまるで料理番組のアシスタントみたいになっていたけど。





妹さんの物の整理も、しなきゃいけなかったのかもしれない。


でも、手をつけようとする度に心がどこか遠くに行ってしまいそうな表情をするのを急かすことなんかもちろん出来なくて。


その度に僕は、ヒョンを抱きしめた。


何度目かの抱擁の時から、少しずつヒョンは思い出を語り出した。


抱え込んでいた物を、少しずつ僕に預けるように。


そうやって、寄り添っていけたらいい。


気持ちが通じた嬉しさよりも、家族を亡くした寂しさに寄り添えることのほうが、僕には大事だった。





週明けも色々手続きもあり、ヒョンは更に2日休みを取った。

その間も、会社の帰りにはマンションに寄り、一緒にご飯を食べた。

本当は夜もずっと一緒にいたかったけど、僕の仕事のことを気にして、泊まらせてはくれなかった。


『心は一緒にいてくれてるから』


そう言って。







そして今日、ヒョンが仕事に復帰した。



すっかり元気とまではいかないけど、さすがの仕事ぶり。

やっぱり、ジョンウニヒョンはかっこいい。





「よかったね、リョウガ」


ソンミニヒョンがこっそり声をかけてくる。


「えっ? あ…はい」


「あれ? 何のことかわかるの?」


「え…えっ?」


じーっと見つめてくる…


あの……なんだか怖いんですけど…


「ふーん」


「……なんですか?」


「2人、なんかあった?」


「…別に、なにも?」


「誰とのこと言ってるか、わかるの?」


「えっ? えっと…」



クスっと笑うソンミニヒョン。


ポンポン、と僕の肩を叩いて、またデスクに向かった。


この人、どこまで気づいてるんだろう…?





思わずちらっとジョンウニヒョンを盗み見ると、今のやり取りを見ていたのか、笑いを堪えている。


もう…面白がっちゃって。





少しして、スマホがメールの着信を知らせた。


『リョウガ、ほっぺ膨れてる』


……ヒョン!!


めちゃくちゃ恥ずかしいよ、もう…





よし。


すっかり澄ました顔に戻った恋人に、

ささやかな仕返しだ。





ヒョンのスマホが、メールの着信を知らせる。


画面を見たヒョンの耳が、真っ赤になる。



成功したみたい。







文面は、




『ヒョン、愛してる♡』







end


2019.02.27 Wed l Every Breath You Take 〜触れる想いスピンオフ【完】 l コメント (0) トラックバック (0) l top



「同情でもなんでもいいから、
リョウギにそばにいてほしかったんだ」


同情なんかじゃない。

同情で、抱かれたりなんてしない。



「でも…リョウギは、俺とは違うだろ?
男しかダメなわけじゃないだろ?

手を出しておいてこんなこと言うのはずるいけど、簡単に言えないような関係に引きずり込みたいわけじゃないんだ」



また、そんな寂しい顔してる。



「…僕を、好きなのに?」


「好きだから、だよ」


「じゃあ、どうして好きだって言ったんですか?」


それならあのまま、勢いのせいにしてしまえばよかったのに。


「それは……」


「ヒョン?」


「勢いだったと言われて、つい…」


「……つい出ちゃうのは、本心だからでしょう?」


ヒョンの頬を、両手で包む。

瞳の奥を、じっと見つめる。


「ヒョンが泣いてるのを見て、僕、ヒョンをもうひとりにしない、って決めたんです。

だから、いくらヒョンが躊躇っても、何があっても、僕はヒョンのそばにいます」


「リョウガ…でも…」


「…じゃあ、僕を振って?」


「……え…」


「お前なんか好きじゃない、って、振って?」




お願い。


どうか。




「……出来ないよ、そんなの。ズルいよ」


ヒョンの声が、涙で震えてる。


「……ズルくても、いいもん」


僕の声も。


「……敵わないな」


「そうですよ? だから諦めて、一緒にいましょう?」


「苦しい思い、するかもしれないぞ?」


「一緒に、してくれるでしょう?」


「ああ」


「一緒なら、なんだって大歓迎です」



僕の答えに、ヒョンが笑った。


僕も笑った。


2人とも、涙でぐちゃぐちゃの顔なのに。





一緒にいよう。



もう、ひとりになんて、



しないんだから。




2019.02.25 Mon l Every Breath You Take 〜触れる想いスピンオフ【完】 l コメント (0) トラックバック (0) l top



俺は、
いわゆる男しか愛せない人間なんだ。




中学くらいにはもう自覚はあって、でも誰にも言えなかったし、親にもどこか後ろめたくて。

せめてもの親孝行と思って、勉強だけは頑張ってたんだ。

高校も大学も、親が一番喜んでくれるところに進んで。




前にバンドをやってた、って言ったろう?

大学の時だったんだけど、そのメンバーの一人と付き合ってたんだ。

誰にも言わずに、自分達だけの秘密で。



それが、親にバレたんだ。


4年の時だったかな。

ライブの後に、楽屋で二人きりになってキスしてたら、そこに父さんが入ってきたんだ。



滅多に見になんか来なかったんだよ?

それなのに、そろそろ卒論で忙しくなるから、もしかしたら大学生活最後のライブになるかもしれない、って前の日に母さんと話してるのを聞いていて、それで突然来たんだ。




…もう、凄い怒りようだったよ。

こんな風に育てた覚えはない、って。


俺のことも、相手のことも罵倒しまくって。

結局それがきっかけで、相手とは別れてしまったんだけど。


なんだかそれまでの俺のことも、全否定されたみたいだった。

一気に険悪になって。




本当はこっちで就職するつもりだったけど、父さんから離れたくて地方に行ったんだ。


母さんも、妹も何度も取り持ってくれようとしたんだけど、俺も父さんも意地になって一度も帰らなかった。






そしたら、事故が起きたんだ。


5年振りに会ったのに、みんな誰一人、目も開かなくて…


…たとえまた喧嘩になったとしても、ちゃんと顔を合わせるべきだったのに。


もう、二度と会わなくてもいいなんて言ってたら、本当に会えなくなってしまって…







リョウガ、俺はね?

妹の回復を願いながら、ひとりで生きていくんだって思ってた。

もしまた誰かを好きになっても、やっぱりそれは男だろうし、どうしたって父さんのことが思い浮かぶし。


だから、リョウギのことも、静かに想っているだけのつもりでいたんだ。




リョウギの歌声を初めて聴いた時、心の中の棘が丸くなっていくみたいな、そんな感覚があったんだ。


そんなこと初めてだったよ。


気づくとリョウギのことを考えてる自分がいて。


でもそんなこと言えない、って思ってた。




昨日、リョウギが戻って来てくれて、

抱きしめてくれて、嬉しかった。



ひとりぼっちだ、って、

そう思ってどうしようもなかったから、

まさか戻ってきてくれるなんて…



だから、甘えてしまったんだ。



同情でもなんでもいいから、

リョウギにそばにいてほしかったんだ。


2019.02.23 Sat l Every Breath You Take 〜触れる想いスピンオフ【完】 l コメント (0) トラックバック (0) l top



「ごめん」


翌朝、ヒョンのベッドで目覚めるなり、そう言われた。

体中が痛い。

ヒョンは僕に背を向けて、ベッドに腰掛けていた。


「謝らないで」


振り向いたヒョンの瞳に、困惑の色。


「眠れましたか?」

「え……ああ」

「よかった」


それ以上は何も言わなかった。

今、僕の気持ちを伝えたところで、ヒョンの悩みが増えるだけ。

勢いで抱き合ってしまったと思ってくれた方が、きっと今はいい。


僕が眠っている間に体を拭いてくれたみたいで、なんだかとても恥ずかしかったけど、態度に出ないように気をつける。

今は、少しでもヒョンを煩わせたくない。




「…リョウギは、その…男となんて初めてだったんだろう?」


なんで聞いてくるかな…


「…まあ…」

「…ごめん…」

「もう…やめましょう? その…勢いってありますから」



本当は勢いなんかじゃないけど。


僕は。






「…勢いじゃ、ない…」




「……え…?」



すぐに理解できなかった。

ヒョンの、言葉の意味が。



「リョウギが、欲しくて…」


「……それ…どういう…」


「…好きなんだよ、リョウギのこと」


「…ヒョン……」


「ごめんな…」



そう言うと、ベッドから立ち上がり、離れていこうとする。


「待って!」


重い体を無理やり起こし、立ち止まったヒョンに後ろから抱きついた。


「…リョウガ?」


「好き…」


「…………」


「勢いなんかじゃない。ヒョンが好き。
だから、そばにいたかったから…」


振り向いたヒョンが、僕の顔を覗き込む。


「それ、本当?」


瞳にいっぱいの涙を溜めて、僕を見る。


僕も、瞳にいっぱい涙を溜めて、頷いた。




ゆっくりと、抱きしめられる。


その背中に腕を回す。


「ヒョンの、そばにいてもいい?」


「…後悔するかもしれないよ」


「してもいい」


「でも……簡単なことじゃない」


「どうして…?」



腕を緩めたヒョンは、少し苦しそうな顔をしている。




「……ヒョン?」





「リョウガ……俺の話、聞いてくれる?」


2019.02.21 Thu l Every Breath You Take 〜触れる想いスピンオフ【完】 l コメント (0) トラックバック (0) l top



ジョンウニヒョンの背中が震えている。


声を殺すように。


泣くのを我慢しようとして、失敗したように。



こんな寂しい泣き方があるなんて、知らなかった。






斎場で、ヒョンはひとりだった。


参列する人はたくさんいたけれど、ヒョンに寄り添ってくれる人は、親戚も、友達も、恋人も、いなかった。


僕たちでさえ、手伝いに追われて寄り添ってあげられなかった。



…ごめんなさい…ヒョン。


ごめんなさい。







僕は、そっとヒョンの背中を抱きしめた。



「……リョウ…ガ…?」



その声がすっかり掠れていて、ギュッと胸が締め付けられる。


僕まで泣いたら、きっとダメなのに。



「……なんで?」


「忘れ物を…取りに…」


「……そう…じゃなくて…」


「…………」


「…リョウガ…?」


「……そんなふうに…泣かないで…」


「…………」


「……ひとりで…我慢するみたいに…泣かないで…」


「リョウガ…」


堪えきれなかった涙が、頬を伝う。


「…なんで…お前まで泣くの?」


「…………」




ゆっくりと、ヒョンが僕の方を向く。


迷子になった子犬みたい。


そんな瞳で見つめられたら、放っておけないよ。




もう一度、今度は正面からヒョンを抱きしめた。


少しずつ、ヒョンの手が僕の背中に回る。


だんだん抱きつくヒョンの腕に力が入る。



「……ひとりに…しないでくれ……」



声を絞り出すみたいに、僕の肩に顔を埋めて言った。


ギュッと、抱きしめる腕に力をこめる。


ひとりになんて、しない…






どの位そうやっていただろう。


ヒョンが顔を上げた。


頬に伝う涙を、そっと親指で拭う。


瞳の奥に、なにかが揺らめいた。


涙を拭う僕の手を、ヒョンが包む。


胸が、苦しい。


ゆっくりと近づくのを感じ、そっと目を閉じた。


唇が一瞬だけ触れ、離れた。


すぐにまた触れる。


今度は、深く求め合う。





ー好きー





キスをしながら気づくなんて。


そばにいたいのは、僕の方だ。





深くなっていくキスに、互いの息が上がる。

感情が追いつかない。

それでも求めあわずにいられなくて、ただその熱に翻弄される。




首筋を、ヒョンの唇が伝う。

シャツのボタンに手をかけられる。



構わない。

あなたが求めてくれるなら。



寂しさも、苦しさも、

涙に枯れた声も、

その吐息さえ、

僕には愛しいから。



あなたの全部を、

僕が、愛するから。



だからもう、ひとりで泣かないで。







ただ、求めあった。




何も考えられなくなるくらい。




夢中で。


2019.02.19 Tue l Every Breath You Take 〜触れる想いスピンオフ【完】 l コメント (0) トラックバック (0) l top



葬儀の日。


全員が会社を離れるわけにはいかなくて、代表でヒチョル所長とジョンスヒョンが参列し、ソンミニヒョンと僕が裏方のお手伝いに来た。



ジョンウニヒョンは、とても気丈に振る舞っていた。


ともすれば平気そうにすら見えてしまうその様子が、かえって心配だった。


父方の伯母という方以外に親戚はおらず、その他はヒョンの妹さんのお友達と、ヒョンの以前の勤め先の方が2人。


ヒョン自身に寄り添ってくれる人は、どうやらいないようだった。




葬儀も全て終わり斎場をあとにする。

荷物を僕の車に乗せ、そのままヒョンをマンションまで送る。

他のみんなとは斎場のところで別れたから、今はヒョンと僕だけ。


「寝ちゃってていいですよ」

「ありがとう」


助手席のヒョンは、目を閉じてはいても眠ってはいないみたいだった。




マンションの来客用の駐車場に車を停め、荷物を運び込む。


「適当に置いて。後で自分で片付けるから」

「はい」

「コーヒーでも淹れるよ」

「いえ、すぐ帰りますから」

「俺も飲むんだ」



そう言ってキッチンに立ったヒョンは、すぐに動きを止めた。



「…ごめん。豆が切れてたみたい」



振り返ってみせた顔は、あの時以上に寂しさに満ちている。

目の下のクマもひどい。

もしかしたら、眠れていないのかな…


「…ヒョン、もう休んでください。僕は帰りますから」


「うん…ごめん。今日はありがとうな」


「お休みなさい」






ヒョンの部屋を後にして、駐車場へと向かう。

ちゃんと眠れるといいんだけど。

そんなことを考えながら、ポケットを探る。


……車のキーがない?


荷物を運び込んだとき、キッチンのカウンターに置いたまま忘れてきたのかも……




ヒョンの部屋に戻り、インターホンを鳴らす。




……あれ? 出ない。




もう一度。




やっぱり出ない。

おかしい…



ドアノブに手をかけてみる。



あっさりと玄関ドアが開いた。



「ヒョン? リョウギですけど、入りますよ」



返事はない。

廊下を進んで、部屋に続くドアをゆっくり開ける。



「ヒョン? 僕、車のか…ぎ………」






ベッドのすぐ脇にうずくまり、



背中を震わせ、声を殺して、



泣き崩れているヒョンがいた。


2019.02.17 Sun l Every Breath You Take 〜触れる想いスピンオフ【完】 l コメント (0) トラックバック (0) l top



突然だった。


仕事中にきた電話に、慌てて飛び出していったから、どうしたんだろうと思った。

あんな慌てたジョンウニヒョン、見たことなかった。






ジョンウニヒョンの妹さんが亡くなった。



突然の交通事故でご両親が亡くなり、同乗していた妹さんは意識不明のまま約半年。

妹さんのそばにいるため、転職してこちらに戻って来ていたなんて。




なんにも、知らなかった。


ヒョンはそんな素振りなど一切見せなかった。

知っていたのは、幼馴染みでもあるヒチョル所長とジョンスヒョンだけ。





ふと、あの寂しい笑顔のヒョンが浮かんだ。



だから、なの?



その心の痛みは、どれほどなんだろう?


誰か、そばについていてくれる人はいるのだろうか?


もし、誰もいなかったら?






『リョウガ』


ジョンウニヒョンの声。


心を包んでくれるみたいな声。


僕の話に『ん?』って向けてくれる笑顔。


それは僕をとても安心させる。



それなのに、今ヒョンは1人かもしれないなんて。







「リョウガ」


声をかけられて目をやると、ジョンスヒョンがじっと僕を見ていた。

「…はい」

「今は、仕事に集中。心配なのはわかるけど、それは他のみんなだって同じだよ」

「はい…」

申し訳なさそうな返事に、ジョンスヒョンはその表情を緩めた。

「これから葬儀とかでいろいろ手伝いも必要になると思うから、その時は頼むね」

「はい」




そうだよね…


連絡が来たばかりで何も決まってない。

むしろ今後を考えたら、今のうちにやれる仕事は片付けておかないと。

僕が役に立てることを、まずきちんとやらないと。





ひとつ大きく息を吐く。


目元を、袖でぐいっと拭う。


やらなくちゃ。


まずは今、出来ることを。


2019.02.15 Fri l Every Breath You Take 〜触れる想いスピンオフ【完】 l コメント (0) トラックバック (0) l top



あ、まただ。


ジョンウニヒョンの声。


歌声を聴いたあの日以来、よく耳にするようになった。

ジョンウニヒョン、口数増えた?



そう思ってすぐ、馬鹿なと思う。

僕の耳が、ヒョンの声を拾うようになっただけ。

確かに魅力的な歌声だったし、すごく感動もした。

また、聴きたいと思う。

でも、今は歌っているわけでもないのに。



なんでだろう?


なんだか、自分の中でとんでもないことが起こっているような気がして怖い。


それでも、僕の耳は、目は、ヒョンを追う。






今日は珍しく、ヒョクヒョンの隣にドンヘヒョンがいない。

いっつも金魚のフンみたいに、ヒョクヒョンにくっついているくせに。

もうすっかり恒例になった、ヒョクヒョンの家での飲み会。

ちょっと足りないお皿を取りにいこうと席を立った隙に、ドンヘヒョンが僕のいたジョンウニヒョンの隣に座ってしまった。



仕方なくヒョクヒョンの隣に座る。

「喧嘩でもしました? ドンヘヒョンと」

聞いてはみたけど、どうやらそういうわけでもないらしい。

じゃあなんで…?



最近ヒョクヒョンとドンヘヒョンは、なんだかよそよそしい。

出会ってまだ日が浅いとは思えないほど、一緒にいるのが既に当たり前に映る2人なのに。

これが男と女なら、運命的だなんて言うのかもしれないけど。


運命的な、親友?


この2人なら、そういうのもありなのかな。




ヒョクヒョンの視線の先では、ドンヘヒョンとソンミニヒョンが、ジョンウニヒョンと話している。


なんの話だろう?

笑いあったり、盛り上がったりしてるならまだしも、なんだか深刻そう。

すごく、気になる。




その時。

ジョンウニヒョンが笑った。


とても、とても、寂しそうに。





胸が、ぎゅっとなった。




どうして、そんな顔で笑うの?


何かあったのかな?




それに、

どうして、僕はそれが気になるんだろう?




疑問は、あっという間に僕をいっぱいに埋めつくしていった。





ジョンウニヒョンの寂しさの意味がわかるのは、数日後のこと。


2019.02.13 Wed l Every Breath You Take 〜触れる想いスピンオフ【完】 l コメント (2) トラックバック (0) l top



衝撃的だった。


パフェのアイスを掬う手が止まった。



歌が上手い人は、たくさんいる。

キュヒョンだってすごく上手いし、

僕も自慢じゃないけど上手だってみんなに褒められる。


でも、ジョンウニヒョンの声は、

なんというか、もうとにかく凄かった。



少しハスキー。

どこか儚げで、どこか官能的。

くぐもったようにも聞こえるけれど、

その声が低音で響くとダイレクトに胸にくる。

そして高音の声量が、ものすごく迫力がある。


一度聞いたら忘れられないインパクト。


僕、誰かの歌声を聴いてこんなに心が持っていかれたの、初めてかもしれない。




「リョウガ、止まってるよ」


その声で、我に返る。

ヒョクヒョンの家でいつものようにみんなで飲んだ後、珍しく今日は話しの流れでカラオケに来ていた。


「凄かったね、ジョンウニヒョン」

隣で同じくパフェを食べていたソンミニヒョンが言った。

気づけばジョンウニヒョンはすでに歌い終わっていて、マイクは今はキュヒョンの手の中にある。

「キュヒョニも、上手いよねぇ〜」

うっとりしているソンミニヒョンを横目に、僕はまだ夢の中みたいな気分だった。






第一印象は、良くも悪くもなかった。


細身のダークスーツ。

ちょっと長めの前髪からのぞく切れ長の目。

ヒチョル所長の知り合いだと聞いていたから、もしかして変わった人なのかと思ってたけれど、案外普通そうで安心した。



時間が経つにつれて、その印象はどんどん変わってきたように思う。

なんていうか……結構、天然?

ぼーっとしてるかと思ったら、他の人と違うところで笑いだしたり。

鋭い目つきは、よく見ると結構黒目がちで、笑うとなんだか可愛らしくなる。


仕事も、慣れない職種にも関わらず、2か月を過ぎる頃には他のメンバーとほとんど遜色ない。

大学もこの辺では有名な所、前職は銀行員だと聞いて、なるほどと思った。







「リョウガ」


隣に腰を下ろしたジョンウニヒョンが僕の名前を呼ぶ声に、さっきの歌声を思い出してドキッとする。


「ヒョン、上手なんですねぇ」

「ありがとう。でもリョウギもすごく声がキレイで、俺感動しちゃったよ」

「えっ? あ、ありがとうございます」


うわぁ…なんか照れる。


「音楽、何かやってたんですか?」

「あー、学生の時に少し、バンドをね」

「バンドですか? ヒョン、モテたでしょ」

「そう……かな?」


イタズラっぽく笑ったジョンウニヒョンは、やっぱりなんだか可愛らしい笑顔だ。




その日は、それから店を出るまでずっと、ジョンウニヒョンと話していた。



ヒョンの声が心地よくて、


ずっと聞いていたいなぁ、


なんて思いながら。









昨日ですが、シウォンさんHappy Birthday〜( *´ ω ` )

本当は4月なんですよね?
結構よくある話とのことですが…

『3ヶ月検診みたいなのって、ないんかね?』
というのが疑問です。
だってもし馬氏のようなことがあったら、
3ヶ月検診なのに1人だけすごく大きい子が!とかなっちゃうし…

…全然関係ないことでスミマセン…


シウォンさ〜ん!
あなたがメインキャラのお話も書いてるからね〜!
2019.02.11 Mon l Every Breath You Take 〜触れる想いスピンオフ【完】 l コメント (2) トラックバック (0) l top