Mon 07/01 2019

僕の好きな人

20:001
《好きシリーズ①》好きだなんて言えない【完】


<LeeTuek>



大学を卒業して、中堅どころのハウスメーカーに就職した。

朝から晩までパソコンや設計図とにらめっこ。

残業は当たり前、有休は溜まる一方、休日出勤も珍しくないほど働いた。

仕事が好き、というよりも、仕事をしている自分に安心していた。






「おいっ! ヘルメットも被らないで何やってんだ!」


その日、図面を手に現場に足を踏み入れようとしていたら、後ろから大声で怒鳴られた。

正直、ぼーっとしていた。


「すみません…」


……こ…怖い……


振り返った先で、ヘルメットにニッカポッカ、腰にはいろんな工具を下げた体格のいい男が僕をじっと見ていた。


「誰?」

「あ…設計の…」

「あぁ。メーカーの人?」

「はい…」



それが、僕と彼との出会いだった。






キム・ヨンウン。

僕がいたハウスメーカーと取引のある工務店に勤める、いわゆる大工さん。



がっしりとした男らしい体格で、僕とは正反対のタイプだと思った。

正直、近寄りがたかった。

だってそれまでの僕の周りにはいないタイプだし、何より初対面のちょっと怖いイメージが僕の中にずっとあったから。




それが変わったのは、彼と出会って半年ほど経った頃だった。


ワーカホリックのお手本とでもいうような仕事漬けの毎日を送っていた僕は、ある日現場で倒れてしまった。

元々の疲れに加え、夏の焼けつくような日差しにやられたんだと思う。

気づいた時には、現場の片隅にあるプレハブ小屋の長椅子に横になっていた。


「お? 起きたか?」


そこには心配そうに僕を覗き込む彼の姿があった。


「あの…僕…」

「そんな細っこいから倒れるんだよ。あんたちゃんと飯食ってんのか?」

「え…はい…」

「ちゃんと寝てる?」

「…そこそこ」

「そこそこ、って……がっつり隈が出来てるけど?」


そう言った彼の手が、僕の頬に伸びた。


「この間より、濃くなってる」


……え…?


「この間…って?」

「先週も休日なのに来ただろ? あんた、ちゃんと休んでんの?」

「…あの……」

「こんなの続けてたら、また倒れるぞ?」

「……はい」


真剣に僕を心配する眼差しに、どきりとした。




それからも忙しさは相変わらずで、このままじゃいけないと少しずつ思い始めていた。

そして、現場に行くたびに彼は、ちゃんと食ってるのか、ちゃんと寝てるのか、と僕に心配そうな眼差しを向けた。





僕が2度目に倒れたのは、もうすぐ冬になろうという頃だった。

また、気づくとプレハブ小屋の長椅子に寝かされていて、すぐそばには彼がいた。


「あんたさぁ、もっと自分の体、労ったら?」


なんとか仕事に戻ろうとする僕に、彼は言った。


「でも…仕事ですから」

「そうだけど。そんな疲れきった顔して設計した家なんて、ほんとに癒されんの?」


彼のその言葉は、僕の中の『このままじゃいけない』という思いを確信に変えた。





僕は、独立する決心をした。




最初は僕だけのつもりだった。

でも知り合いのヌナがお子さんが大きくなってきて働きたがっているのを知り、手伝ってもらうことになった。

仕事場は、実家の一室だった。

やがてちょっとずつ軌道に乗って、大学の後輩だったシウォンが加わるのを機に事務所を構えた。

少しずつ仕事も増え、人も増え、ヌナと2人で始めた僕の事務所は今、バイトの子も含めると8人が働く建築事務所になった。






「お疲れさまです」


ヘルメットを被り、現場に入る。


「ヒョン、お疲れ」


あれ以来、僕が現場で倒れることはなくなった。

それでも。


「ヒョン、昼ちゃんと食った?」

「うん。今日はね、ローストチキンのサンドイッチ」

「ちゃんと昨日寝た?」

「寝たよー」


彼の眼差しは、今日も僕を気にかける。


「そっか」


微笑む彼の笑顔は、最初に抱いた怖い印象とはほど遠い。


彼が笑うと、暖かい空気が僕を包む。


かつて僕を怖がらせた彼が、今は僕の心を暖かくする。


だから僕は、彼に会いたくなる。






キム・ヨンウン。

職業、大工。




彼が、僕の好きな人。






end










天使リーダー、イトゥクさん。

お誕生日おめでとう〜╰(*´︶`*)╯♡



私とスジュとの最初の接点は、実はトゥギの出ていたウギョル。

他の人が出ていたウギョルが面白くて、その流れでトゥギのも見たんです。
カン・ソラちゃんの出ていたドラマ(ドクター異邦人)が好き、ってのもあったし。


気苦労の絶えない毎日だろうなぁ、と思うけど、やっぱりトゥギあってこそのスジュ。

かわいいクンイちゃんに癒されながら、本当にしっかり体を労ってほしい。


素敵な笑顔が絶えない1年になりますように( *´ ω ` )




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