Thu 01/16 2020

Change the World #1

16:002
Change the World



もしも世界を変えられるなら


太陽の光になって あなたの世界を照らしてあげる


僕の愛が本当にいいものだってきっとわかるよ


ねぇ……もしも世界を変えられるなら……


Eric Clapton『Change the World』より意訳










<RyeoWook>



ヒョンは、僕が嫌いだ。



小さい頃は一緒に遊んでくれたし、それどころかいつもそばにいて、仲のいい兄弟だったと思う。

でも、いつからだろう。

大きくなるにつれ、僕とヒョンとの間にはいつのまにか距離が出来ていた。



今、ヒョンから僕に話しかけてくることはない。

家でも顔を合わせるのは、家族でご飯を食べる時だけ。

それも、ヒョンが高校生になって塾に行き出してからは減った。






僕が何かしたのか、何度も何度も考えた。

でも、わからない。

きっかけになるようなことなんて、僕には心当たりがまるで無かった。

少しずつ、でも確実に、ヒョンとの距離は出来ていて、気づいた時にはもう手遅れだった。



もしかして、何も思いあたりすらしない僕の、こういう鈍感さが嫌なのかな。

それとも、優しいヒョンが大好きでいつもまとわりついていたから、そんな僕がうざったくなったのかな。



『リョウガ』


そう呼んで、微笑んでくれたのに。









「行ってきます」


また今日も、ヒョンは朝ご飯を抜いた。

それでなくとも線が細いのに。

最近は食卓にすらヒョンは座らず、マグカップに注いだコーヒーだけを飲んで学校に行ってしまう。


「行ってらっしゃい」

「……ん」


返事が返ってきただけ、今日はまだいい方だ。


「ちょっと! お弁当忘れてるわよ!」


オンマが玄関までヒョンを追いかけていった。

元々オンマを手伝って朝キッチンに立ってはいたけれど、3年生になってから、お弁当は僕が1人で作っている。

ヒョンはまだ、気づいていないのかもしれない。

僕が作っていると知ったら、持っていってくれなくなるような気がして、オンマにも内緒にしてもらってる。

今のヒョンとの、ほとんど唯一の繋がり。






変なの。

他の家の兄弟も、みんなこんな感じだとは思えない。

いつまでも小さな子どもみたいにいかないことは、わかってはいるけれど。

でも。






ヒョン。


僕が何かをしたのなら、教えてよ。


小さい頃みたいに可愛がって、なんて言わないから。


せめて、もっと普通の、ただの中学生と高校生の兄弟みたいに戻りたい。


それだけなんだ。




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