Thu 12/13 2018

触れる想い 1

20:000
触れる想い【完】


<EunHyuk>


どうしたらいいか、わからない。

何か気に触るような事をしただろうか?

職場ではいつも通り。

挨拶も、仕事の話もする。

でもそれ以外はシャットアウト。

電話も出ない。

メールも返ってこない。

そうやってもう、1ヶ月。




告白は向こうからだった。

6月のある週末の飲み会。
次の日が休みなこともあって明け方まで続いた。

俺はその日は風邪気味で、珍しくほとんど飲んでいなかった。

解散して、明るくなり始めた帰り道。

1人で歩いていると、メールの着信音が鳴った。


"俺、ヒョクのことが好き。

付き合ってほしい。"


信じられなくて、でも嬉しくて。

なんと返していいかわからなくて、
結局電話をかけた。


「恋人になって」

そう言われ、

「いいよ」

と答えた。





夢を見ているみたいだった。

俺もヒョンが好きだったから。




いつだったか、会社の仲間でBBQをした時、

ちょっと集合に遅れそうだった俺に気づいたヒョンが、みんなの輪を抜けて俺のそばに駆け寄った。

「早く。待ってたんだ」

そう言って俺の手を引いて走り出した。




あの時、この人が好きだ、って思った。




会社でもムードメーカー的なヒョン。

気になっていても、それまで男を好きになったことはなかったから、まさかと思った。

でも、繋がれた手がとても熱い気がして、落ち着かなくて、

ずっと繋いでいたいのに、早く離してほしいような不思議な気持ちだった。




デートだってした。

2人で映画に行ったり、ご飯も行った。
ドライブもしたし、公園でのんびりもした。

それでも、キスしたり抱き合ったりはできなかった。

したい気持ちはあっても、男同士だという戸惑いはなかなか拭えなくて、

夜の車の中で手を繋ぐのが精一杯だった。

少しずつ、進んでいけたらと思っていた。



もしかして、それが悪かったのかな。

俺のこと、つまらなかった?



わからない。

でも、きっともうダメなんだと思う。

せめて、話をしたいのに。

なのにヒョンは、何も言わず無視するだけ。

ダメならダメ、って言ってほしい。

じゃないと、俺はここから動けない。



今日もまた、電話をかける。

きっと出ないことはわかっている。

呼び出し音を、10まで数え、切る。



それで、終わり。
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